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ノバルティスファーマ株式会社

4年前

慢性心不全患者における「エンレスト®︎」という選択肢 ー2つの作用を有する単一の複合体ー

慢性心不全患者における「エンレスト®︎」という選択肢 ー2つの作用を有する単一の複合体ー

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心不全は進行性の病態である

心不全とそのリスクの進展ステージ¹⁾

慢性心不全患者における「エンレスト®︎」という選択肢 ー2つの作用を有する単一の複合体ー

通常、 器質的心疾患のないステージA、 虚血性心疾患など器質的心疾患のあるステージBを経て、 多くの場合急性心不全として発症します.

その後も心機能は回復せず、 ステージC慢性心不全に移行し、 急性心不全による入退院を繰り返すことによって重症化して身体機能低下、 時には突然死に至ります.

さらに進行すると薬物治療が効きにくくなり、 ステージD治療抵抗性 (難治性・末期) 心不全に移行するのです.

心不全に至る心臓リモデリング²⁾³⁾⁴⁾

慢性心不全患者における「エンレスト®︎」という選択肢 ー2つの作用を有する単一の複合体ー

明らかな症状がなくても、心筋リモデリングにより心機能の低下は進行していきます. この経過には心保護因子心臓刺激因子のバランスが重要となり、エンレストもこのバランスを整える作用があります.

心臓における神経体液性因子のバランス⁵⁾

慢性心不全患者における「エンレスト®︎」という選択肢 ー2つの作用を有する単一の複合体ー

🟠 心保護因子:ナトリウム利尿ペプチド

  • 血管抵抗減少利尿作用をもたらし、心臓刺激因子の作用に拮抗するように働きます.
  • その他、多彩な臓器保護作用を示します.

🔵 心臓刺激因子:交感神経系、RAA系

  • 血管抵抗の上昇や、ナトリウムおよび水分の貯留など引き起こします.
  • 脱水、出血等の急性期に保護的に働きます.
  • しかし、持続的・過剰に働くとかえって臓器障害を招きます.

心不全患者に対する治療薬の機序

ACE阻害薬/ARB、 β遮断薬、 MRA⁵⁾

慢性心不全患者における「エンレスト®︎」という選択肢 ー2つの作用を有する単一の複合体ー

心不全の中でも、HFrEFに対する治療薬としてACE阻害薬またはARBβ遮断薬 MRAが用いられておりますが、これらはいずれも🔵心臓刺激因子に作用することでバランスを改善する薬剤です.

一方、これまで心保護因子であるナトリウム利尿ペプチド系に作用する慢性心不全治療薬は実用化されていませんでした. そこで登場したのが今回ご紹介する「エンレスト®︎」です
慢性心不全患者における「エンレスト®︎」という選択肢 ー2つの作用を有する単一の複合体ー

ARNI (アンジオテンシンII作用抑制+ ナトリウム利尿ペプチドの作用亢進)⁶⁾⁷⁾⁸⁾

慢性心不全患者における「エンレスト®︎」という選択肢 ー2つの作用を有する単一の複合体ー

エンレスト®︎は、 ネプリライシンのナトリウム利尿ペプチドの分解作用の阻害を通じて🔵ナトリウム利尿ペプチドの作用亢進に寄与するとともに、 アンジオテンシンⅡタイプ1受容体阻害による🟠リモデリング抑制作用を併せ持つ慢性心不全治療薬です.

慢性心不全患者における「エンレスト®︎」という選択肢 ー2つの作用を有する単一の複合体ー

海外ガイドラインにおけるエンレストの位置づけ

エンレスト®︎は、海外のガイドラインにおいて、ACE阻害薬/ARBに代わる治療薬として推奨されています.

<エンレスト錠50mg、100mg、200mg>

【5. 効能又は効果に関連する注意】(抜粋) 5.1 本剤は、 アンジオテンシン変換酵素阻害薬又はアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬から切り替えて投与すること [2.2、8.1、17.1.1、17.1.2 参照 ]

📘ESCにおけるConsensusより抜粋⁹⁾

サクビトリル/バルサルタンは、 HFrEF患者におけるACE阻害薬の代替薬として、 心不全の入院および死亡のリスクを低減するために推奨される.[推奨クラスI、 エビデンスレベルB] 

📕ACCにおけるConsensusより抜粋¹⁰⁾

HFrEF患者にはARNIが推奨される. ARNIが投与できない場合にのみ、ACE阻害薬/ARBが推奨される.

実際の使用方法

外来治療中の早期心不全患者さんへ エンレスト®︎をご検討ください

ACE阻害薬又はARB投与中 かつ

  1. 診察時には無症状であったが、 階段の昇り降り、 運動などのこれまでしていた活動を避けている.
  2. 労作時の息切れあり.
  3. BNP/NT-proBNPが前回より上昇.
  4. 利尿薬を処方中、または増量を検討.
  5. 収縮期血圧100mmHg以上. など

詳細は添付文書をご確認ください.

エンレスト®︎の用法用量

慢性心不全患者における「エンレスト®︎」という選択肢 ー2つの作用を有する単一の複合体ー
  • ACE阻害薬は、 少なくともエンレスト®︎投与開始36時間前に中止してください.
  • 初回投与量は1回50mg1日2回で、2~4週間間隔で増量を検討して下さい.

詳細は添付文書をご確認ください.

<エンレスト錠50mg、100mg、200mg>

【4. 効能又は効果】 慢性心不全 ただし、 慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る.

【5. 効能又は効果に関連する注意】(抜粋) 5.1 本剤は、 アンジオテンシン変換酵素阻害薬又はアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬から切り替えて投与すること [2.2、8.1、17.1.1、17.1.2 参照 ]

【6. 用法及び用量】 通常、 成人にはサクビトリルバルサルタンとして1回50mgを開始用量として1日2回経口投与する. 忍容性が認められる場合は、 2~4週間の間隔で段階的に1回200mgまで増量する. 1回投与量は50mg、 100mg又は200mgとし、 いずれの投与量においても1日2回経口投与する. なお、忍容性に応じて適宜減量する.

参考文献

  1. 第4回心血管疾患に係るワーキンググループ:資料2 心血管疾患の医療提供体制のイメージ(厚生労働省)https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000165484.pdf [2022年1月30日閲覧]
  2. Arterioscler Thromb Vasc Biol. 2012 Jul;32(7):1552-62.
  3. Am J Cardiol. 2005 Sep 19;96(6A):11G-17G.
  4. Nat Rev Cardiol. 2013 Sep;10(9):519-30.
  5. Intern Med. 2007;46(16):1291-4.
  6. Drug Discov Today Ther Strateg. 2012;9(4):e13-9
  7. Clin Sci (Lond). 2016 Jan;130(2):57-77. 
  8. J Am Coll Cardiol. 2019 Mar 26;73(11):1273-1284.
  9. Eur Heart J. 2021 Sep 42(36);3599–3726. [抜粋は3620ページ]
  10. J Am Coll Cardiol. 2021 Feb 16;77(6):772-810. [抜粋は780ページ]


慢性心不全患者における「エンレスト®︎」という選択肢 ー2つの作用を有する単一の複合体ー

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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